ロンドンの素晴らしい建築物が無料で見られる!ロンドン・オープンハウス2019
2008年から毎年秋(9月)の週末、2日間だけ行われている「ロンドン・オープンハウス」。
ロンドン市街にある、「通常常入れない貴重な建物や歴史的建造物」、そしてそれだけでなく、「素晴らしいデザインの個人邸」などを訪問して鑑賞できる、ロンドンで毎秋話題のイベントです。
もっとロンドンのことを知ってもらおうと、非営利団体や多くのボランティアによって運営されています。
2019年は、9月21日(土)・22日(日)に開催。なんと800以上の建築物がエントリーしています。
予約なしで、当日ふらっと行けるところもあれば、事前予約が必要なところ、抽選に当たらないと入れないところもあります。でも全て無料なんです!
予約がいらないところでも、人気のあるところは、朝から行列ができていて並ばないといけないところもあるので、注意してください!
今年のロンドン・オープンハウスに参加している建物を、ほんの少しだけ紹介します。最初の6つは、公式サイトからの写真も。個人邸は入っていません。
◆Bloomberg European Headquarters
(建築設計:Foster + Partners)
10万㎡を超える広大な敷地には、2つの建物が建てられ、ブリッジとガレリアで繋がっている。世界でも、最も持続可能なオフィスビルで、美しくユニークなデザイン。日本の金属建築の専門企業KIKUKAWAが、ガレリアブロンズパネル、螺旋階段手摺壁パネルなどを手掛けている。
最寄りの地下鉄駅:Mansion House, Cannon Street, Bank
オープン日:21日、22日(どちらも予約のみ)
予約は、下記オープンハウスの公式サイトから:
https://openhouselondon.open-city.org.uk/listings/7014
◆Capital City Academy
(建築設計:Foster + Partners)
ガラスやステンレススチールがふんだんに使われ、敷地の傾斜に沿ってカーブを描いている美しいデザイン。計算された空や周辺景色の映り込みも、とても印象的な建物。
最寄りの地下鉄駅:Willesden Green
オープン日:
21日:1時間ごとにガイド付きツアー(1pm-4pm)1回最大8名
22日:1時間ごとにガイド付きツアー(10am-1pm)1回最大8名
オープンハウスの公式詳細ページ:
https://openhouselondon.open-city.org.uk/listings/3149
◆10 Downing Street(ダウニング街10番地/イギリス首相官邸)
(建築設計:Office Sian Architecture + Design)
良く知られている黒いドアの中では、過去284年間、イギリスに影響を与えた重要な決定が下されてきた。
ダウニング街はネズミが多く、昔から猫がいたが、1924年から「首相官邸ネズミ捕獲長」として正式に公務員として「雇用」されている「ネコの職員」がいるのも、有名な話し。
最寄りの地下鉄駅:Westminster, Embankment
オープン日:(予約抽選のみ)21日 11am・2pmからツアー(最大各24名)
オープンハウスの詳細ページ(予約もこちらで):
https://openhouselondon.open-city.org.uk/listings/2738
◆HM Treasury(英国財務省)
(建築設計:John Brydon)
20世紀初頭のバロック様式の建物をイギリスを代表する建築家、Norman Fosterが改修。外観は重厚なまま、中はオフィスの条件にあう現代的・機能的で美しいインテリアになっている。
「ミーティングスペースには巨大な垂れ幕が掛かっていて、ここが財務省の中とは思えないぐらい素敵な場所」「不思議なミスマッチが絶妙な感覚」などの、訪れた人の感想がある。
最寄りの地下鉄駅:Waterloo, Charing Cross, Victoria
オープン日:21日 10am-5pm
展示スペースは自由に観覧、
建物の改修についての映画上映あり(100名収容可)
オープンハウスの詳細ページ:
https://openhouselondon.open-city.org.uk/listings/624
◆The View from The Shard(ザ・シャードの展望台)
(建築設計:Renzo Piano)
アプローチできる最上階、72階の展望台(高さ800ft/244m)から一望するロンドンの眺めは圧巻です。
通常は大人ひとり31ポンド(約4600円)の入場料がいりますが、オープンハウスでは特別に無料!ただし抽選で計100名のみなので、興味があれば、ぜひ9月上旬までにエントリーを。
最寄りの地下鉄駅:London Bridge
オープン日:(予約抽選のみ、各50名まで)21日 10am-5pm、22日 10am-5pm
オープンハウスの詳細ページ(エントリーもここから):
https://openhouselondon.open-city.org.uk/listings/3119
◆Australia House(オーストラリア高等弁務官事務所)
(建築設計:Alexander Marshal Mackenzie)
映画「ハリー・ポッター」に出てくる「グリンゴッツ銀行」として外観が使われた。また、映画「シャーロックホームズ/シャドーゲーム」では、オークションハウスでのシーンはこの中で撮影されている。
最寄りの地下鉄駅:Holborn, Temple
オープン日:(予約が必要)21日 10am-5pm
オープンハウスの詳細ページ(予約もここから):
https://openhouselondon.open-city.org.uk/listings/1806
この他にも、まだまだあります!
さらに6つ、簡単にご紹介。どれも、公式サイトから詳細を見てください。 >> 公式サイト
★トップページの「View 2019 Building Listings → 」から、リストのページに飛べます。
◆ACE CAFE LONDON(エースカフェ ロンドン)
1938年、ロンドン北西の幹線道路脇に、24時間営業のロードサイドカフェとして誕生。50年代にはROCKERS(ロッカーズ)が集い公道レースを楽しみ「カフェレーサー」という言葉を生む。一度閉鎖されたが、カリスマロッカー、マーク・ウィルスモアのおかげで再開。今は、モッズやアーティスト、その他多くの人たちも訪れるカフェ。
◆Phoenix Gardens Community Building
(建築設計:Office Sian Architecture + Design)
ソーホー地区の中心にある有名なフェニックスガーデンの中の、癒される雰囲気のコミュニティセンター。
◆Savile Row/サビルロウ街の世界的に有名なテーラー5軒
多くの高級テーラーが軒を連ねる、サビルロウ・ストリート。そこにある世界的に有名なテーラー5軒(Chittleborough and Morgam, Norton and Sons, Huntsman, Cad and The Dandy and Richard Anderson)の建物。18世紀に創られた重要指定第2級の建物。(21日のみ)
◆55 Broadway (ロンドン地下鉄の本社London Underground Head Office)
ロンドンの地下鉄の本社。セント・ジェームズ・パーク駅は、この建物に組み込まれている。まもなく再開発の予定があり、もしかしたらこの建物を見る最後のチャンスかも。アールデコの美しい建築で、ヘンリー・ムーアやジェイコブ・エプスタイン、エリック・ギルの彫刻が外観を飾っている。(事前予約が必要)
◆Crystal Palace subway
クリスタル・パレス・パレード地区のA212の地下に作られた地下道。まさか地下にあるとは思えない、美しいビクトリア様式で、重要指定第2級の建造物。
◆Lloyd's Register Group(一部のみ)
ロイド レジスター グループ リミテッド(ロイド船級協会)の、独特のデコラティブな建築が多くほどこされている贅沢な建物。RIBA Award受賞。
どこに行くか、800軒以上もある建物をHPで全部見るのは大変!という人には、公式ガイドブック、"Open House London Guide 2019"があります。
公式ガイドのオンラインショッピングの"Pre-Order the Guide for 2019"からオーダーするか、あるいはいろいろなミュージアムに置いてあるので、そこで購入できます。
公式オンラインで買う場合は、Pre-Order価格の5月1日~9月1日までが8.5ポンド。9月2日以降は10ポンドとなっています。
去年の9月24日から販売していたみたいで、2019年4月3日までは「early bird」特典ということで、7ポンドだったようです。そんなに早く次に行くのを決める人もいるんですねー!
あるいは、スマホアプリを購入することもできます。
公式サイトのトップページを少し下に行くと、「Download the APP」というグリーンのマークがあり、Google Playに飛びます。折りたたまれている目次からも行けます。iOSもAndroidもOK。
スマホアプリには、「お気に入り機能」や「地図機能」がついているので、とても便利!気になるところをお気に入りにどんどん入れたら、地図を確認して、行けるところだけを残せば、自分だけのTo Go Listが作れます。
個人邸を訪れるのは、家を建てたい人やインテリアに関心のある人にとても人気。日本人にも好評のようです。
豪華な手が届きそうもないような邸宅だけではなくて、こじんまりと、お洒落にうまく設計しているご自宅も、あったりします。
個人邸の場合は、フェンスなどに「OPENHOUSE」と書かれた目立つ幕が貼ってあるので、迷わずすぐに分かります。行った人によると、意外なことに、靴を脱いで入るお宅が多かったそうです。
ちなみにこのイベントは、1983年にフランスで始まった自国の歴史・文化遺産を国民に広く知ってもらうためのイベント、"European Heritage Days"の中で行われていた「Doors Open Days」(通常非公開の歴史的建造物などを一般公開する)をならったもので、ヨーロッパの多くの国で、このようなイベントが催されているそうですよ。